ナビ1ナビ2ナビ3ナビ5
ナビ4ナビ6

ヴェルディ&ワーグナー座談ビルボード写真

 最近のヴェルディはヴェリズモすぎる

加藤  大野和士さんがおっしゃっていたのですが、メトみたいな大きな劇場だと歌手の人がおっかなくなっちゃって、声を張り上げてしまうんだけど、本当はそんなに声を張り上げなくても・・・

I女史  大劇場でも本当はすごく声が通るんです。

武田  確かに、バルトリがメトで歌ったのを聞きましたが、ちゃんと声は通ってましたね。

運営者 メトの来日公演のリハーサルを見せてもらったんだけど、あれだけ熱心にピーター・ゲルブ自身が音量を調整しているのであれば、リリコでも何でも客席に声は通るはずなんだから、歌手はそれを信用して歌えばいいと思いますけどね。なんでやらないんでしょう?

武田  重い声でがっちり歌うことに生理的な快感を覚えるというのはあるよね。

手塚  今のヴェルディファンにはそういうところがある。

加藤  それが優先されて音程の正確さとか犠牲になっている面がけっこうあると思う。私、音程悪いのは気持ち悪くて聞いていられない。
 当時は絶対にベルカントだったんですよ。ストレッポーニはドニゼッティ歌手だったんですから。ヴェルディは彼女に向けて「ナブッコ」を作っているわけだから、ヴェリズモなわけはないんです。

武田  もちろん、ヴェリズモではない。でもやっぱり、重い声で歌うヴェルディもいいけどなぁ。男性的なオドキの音楽だから力強い声が似合う。ワインでいえばフルボディの赤。《ファルスタッフ》だけはシャンパンだけど。

手塚  ヴェルディ作品は、歌手が歌う場面ではオーケストラが薄くなってますよ。割と音を切ってスカスカにして。

武田  アリアではそういう配慮もしてますね。しかし、コンチェルタートではやっぱり分厚い音を突き抜ける声が必要なところもあります。それに、劇場は大きくなり、コンサート・ピッチだって上がっているので、やっぱり声のパワーは必要。美しいだけではない劇的な表現力を追求したヴェルディにふさわしいのは、やっぱりドラマティックな声でしょ。大きければいいというわけではないけど、骨太で強靭なカンタービレを歌い切れる声。

加藤  「マタイ受難曲」は以前は100人くらいの合唱で歌うのが主流だったけれど、古楽が復興してから、十数人で歌うのが普通にもなってるじゃないですか。その手の小人数の合唱のレベルはすごく高いですよ。
気持ちいいくらい決まるから。

手塚  小回りが利くから。だからヴェルディも軽くやってもいいんじゃないかと。

加藤  この間、フェニーチェ歌劇場の芸術監督のフォルトゥナート・オルトンビーナさんに話を聞いたら、「オテロ」は本当はもっとベルカントだったんじゃないかと言ってました。「最近のヴェルディはヴェリズモすぎるんじゃないですか」と聞いたら「まったくその通り」だと。
 この人が今回グレゴリー・クンデを「オテロ」に抜てきしたんです。「クンデは初演の時のタマーニョと似たキャリアだからおそらく似ているだろう」と思って聞いてみたら、本当に素晴らしかったですよ。

武田  4月に来日するから、聞いてみましょう。

手塚  武田さんの好みに合わないないんじゃないの?

加藤  私も持っていますが、「トロヴァトーレ」の楽譜を見たら細かい指示がたくさん書いてあります。第二幕の幕切れなんて、ピアニッシモが十数個書いてあるんです。ppppppppって。

手塚  それを何で守らないのかね?

加藤  ヴェルディ本人がそう言ってるわけですから。それをガーッっと歌ってしまうというのは・・・

武田  「アイーダ」の最初のラダメスのアリアも最後は、ピアニシモなんだけど、フランコ・コレッリはちゃんとやってるんです。ああいうすごい声の人でもちゃんとやるときはやるんです。

手塚  他で聞かせられる自信がある人はちゃんとピアニシモをやるんだな。

加藤  ピアニシモって難しいんですよ。

手塚  「自分を売り出したい」という邪念があると、結果的に声が通らない。

武田 ただね、ベル・カントとかヴェリズモという言葉をオペラの様式を指す言葉として使うのか、発声法や歌い方の方法論を指す言葉として使うのかは、区別して論じたいですね。
 ヴェルディの前期の作品は、ベル・カント・オペラの様式を引き継いでいて、特に《トロヴァトーレ》は最後のベル・カント・オペラと言っていいでしょう。ベル・カント・オペラの特徴のひとつであるアジリタを多用する装飾的な歌唱やカヴァティーナ・カバレッタ形式のアリアは次の《ラ・トラヴィアータ》前半を最後にして姿を消します。しかし、アイーダやアメーリアを歌うフレーニの発声は伝統的なベル・カントのスタイルだ、ということもできるのです。
 一方で、ヴェルディのオペラは劇的なリアリティを追求しましたが、後期の作品であっても、決していわゆるヴェリズモではありませんよね。《カヴァレリア》、《パリアッチ》、《外套》みたいな貧乏ったらしい「現実」生活を舞台にのせるのがヴェリズモだとすれば、ですが....。
 アジリタ技巧なしにロブストな声で単調に押し出すように歌う歌唱法をヴェリズモという言葉で代表させるとすると、むしろワグナーの歌い手こそヴェリズモといえるかも。
 それにね、マリア・カラスが歌うノルマ、アンナ・ボレーナ、《トロヴァトーレ》のレオノーラ、ヴィオレッタ、《仮面舞踏会》のアメーリア、トスカが最高であることはおそらく誰も異論がないですよね。その彼女の歌い方はベル・カントかヴェリズモかなんて言っても意味がない。もしかしたら彼女の声や歌い方は作曲家が想定したスタイルとは違うかもしれないとしても、そんなこと誰が気にします?
 古楽器でバッハを演奏するのもいいけれど、グレン・グールドが現代のピアノで弾くバッハの方が感動する、ということもあるでしょ。

加藤 グレン・グールドのバッハと、グスタフ・レオンハルトのバッハはどちらも素晴らしいです。同じ土俵に載せることはできない。ものさしが違うから。
 レオンハルトにとってバッハをピアノで弾くことは邪道でした。レオンハルト前にも彼と同じことを考えて実践したひとはいたけれど、レオンハルトに比べればまるで中途半端でした。レオンハルトはある意味チェンバロの歴史、古楽の歴史を変えたひとです。
 私が今言っているのは、レオンハルトのバッハと同じ方法論がオペラで出てきて、それが水準が高くなって成功しつつあるということ。カラスの「トロヴァトーレ」はもちろんすばらしいけれど、まったく別の方法論で歌っているケルメスの「トロヴァトーレ」もほんとうに素晴らしいし、カラスのノルマは素晴らしいけれど、バルトリのノルマもほんとうにすごかった。この2人はいわばグールドとレオンハルト。ともに歴史を変えた(変える)歌手だと思う。カラスのものさしがすべてに当てはまるとは私は思いません。




 2013年 ヴェルディ&ワーグナー生誕200年 記念座談会6



愛媛4区 桜内ふみき 公認会計士サイト運営者は桜内ふみき氏をサポートしています



人間力★ラボ



「人間力」エピソード





ナビ1
ナビ2
ナビ3
ナビ4
ナビ5
ナビ6


芦川淳氏   自衛隊vs.人民解放軍 我らもし闘わば
芦川淳氏   原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた!
芦川淳氏  沖縄の基地問題など、国防を考える3
田代秀敏氏 「混沌の大国」中国と中国人を知る

神保哲生氏  今更なんですが、「ジャーナリズムとは一体何なのか」
三神万里子氏 メディアの「情報信頼性評価基準」を考える

山田恭路氏 自然派ワインに首ったけ
川村武彦氏+山田恭路氏 「天才の国」イタリア自然派ワインの真実


野中郁次郎氏 ナレッジ・ワーカー育成講座
本間正人氏  コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか
三ツ谷 誠氏  市場、個人およびカイシャの一般法則
織田聡 氏   カイシャ文化の現在を問う

「国ナビ」で作った予算対案を衆院本会議に提出/桜内文城 氏
竹中平蔵氏  なぜいつまでたっても「改革」できないのか
中林美恵子氏 アメリカ議会に見る「機能する立法府」のあり方
瀬口清之氏  パブリックマインドとは何か

小西達也氏 「チャプレン」という仕事 ヴェルディ&ワーグナー生誕200年 記念座談会
爆笑座談  オペラ愛好家とはいかなる人種か?
METを観たら、METを読もう!
2013年夏のヴェローナ音楽祭/武田雅人
2010年夏のヴェローナ音楽祭/武田雅人
2007年夏のヴェローナとマチェラータ音楽祭/武田雅人
偏愛的オペラ談義

ネット起業! あのバカにやらせてみよう
ベネチア貿易船復元計画
江戸城再建計画
『日本の借金』時計への勝手リンク
12-13イタリア旅行
11ヨーロッパ紀行
04ヨーロッパ紀行
02ヨーロッパ紀行
フィリピン有情
佃点描
ぼくはこんな記事をつくってきた
余は如何にして編集者となりし乎
雑誌づくり講座

4秒でわかる Pin Point ワールドカップ2014
4秒でわかる Pin Point ワールドカップ2010
日本のサービス、ここが間違ってる
爆笑! 四酔人サイト問答
女子大生版「日本のカイシャ、いかがなものか」 丸山真男と日本の外骨格
藤原正彦先生論文「国家の堕落」を読む
金融工学は製造物責任の夢を見るか?
酒飲みの「旅行話」
台灣好好 日本よりも日本らしく
さる名門女子大における恋愛論講義
人間力営業
「人間力」101本勝負メールマガジン
「人間力」とは、大人になることと見つけたり

最後に勝つのは「新日本人」だ
「新日本人/旧日本人」モデル
「新日本人」論 対話篇
「カイシャ主義」に挑戦! “オープンソース型ビジネスマン”の生きる道


誰が神を殺すのか
構造改革とは意識改革である
現代都鄙問答
一億総中流の倫理崩壊
完成! 「新日本人ルネサンス論」
日本人の田舎者意識の精神史的地位

鈴鹿市の見える歯科治療・歯科CT 仙川駅前の皮膚科・気管支ぜんそく 長引く咳  東京都 高輪矯正歯科・八重歯  税理士法人浅野会計 名古屋市の相続承継・会社設立 ひかり歯科 千葉のキッズ予防歯科 スタッフ 匝瑳市 デリバティブ 仕組債・仕組預金の商品分析に関する解説 他社株転換債 社員研修 マナー研修 身だしなみ愛西市近くの審美歯科

銀座の老視矯正 コンタクトレンズ制作眼科豊田市にある内科・点滴・相談漏斗胸・胸郭変成の外科治療専門サイト千葉市 心療内科・椿森・うつ医療ホームページ/クリニック/医院/診療所の集患増患コンサルなら

金沢区/内科 かぜ国立市/内科 糖尿病治療 中央線介護の管理者/アルバイト/パート|三重県鈴鹿市・安心シンプルな手術法、漏斗胸治療デザイナー求人戸塚クリニック 横浜市戸塚区 内科笹塚 メガネは眼科で相模原市南区の内科 動脈硬化

鶴見区/整形外科 リハビリ科浜松市/ALTA療法 痔の相談 薬物療法青森市役所横/横内耳鼻科医院開業セミナー
大阪市の肛門科専門医取得・静脈瘤治療・内視鏡検査アルタ療法講座 治療概念町田駅近くのたむら整体院サイト 顎痛松山の漏斗胸治療・救急科案内ル・サロン 柿本葛西駅/整体 頭蓋オステパシー 相談怪我やヤケドなら形成外科へ