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2013年8月Veronaへの旅  8月10日《アイーダ》

武田雅人

3.8月10日《アイーダ》

 この日の昼間は、パドヴァまで出かけ、ジョットのフレスコ画で有名なスクロヴェーニ礼拝堂を観に行ってきました。小さなお堂なので見学者の数を制限しており(1回の定員25人)、予約制になっています。インターネットで14:00の回を予約、料金もカードで払いこみます。
スクロヴェーニ礼拝堂(写真撮影禁止なので、ネット上から拝借した画像です) 礼拝堂の一帯は美術館や彫刻庭園にもなっており、スクロヴェーニ礼拝堂を核とした文化センターのようになっています。予約の時間になると、まず控え室に通され、その冷房の効いた部屋で15分間腰かけて案内ビデオを観ながら汗を鎮め、気分を落ち着かせながら、前の組の見学が終わるのを待つ、という寸法です。前の組が出るのを待って堂内にはいり、きっかり15分間だけ見学を許されます。
 小さいお堂といいながら、ジョットの壁画は上下3段で4面の壁面を占めており、受胎告知、キリストの一生の物語、最後の審判など、画題にして50近くあり、15分はあまりにも短いといえましょう。しっかり観たいのであれば、14:00の次に14:30の予約もとっておく、というのをお薦めします。

 なお、パドヴァでは、礼拝堂の場所に行くまでが一苦労でした。カーナビで近くまで行ったところ、教会に通じる道が工事のために閉鎖されていたのです。ルートを変えて回り込もうとするのですが、街中は一方通行だらけで思う方向に進めません。
 結局あきらめて、近くの駐車場に車を停め、歩いて教会に向かいました。この無人の有料駐車場のシステムがまた面白いものでした。入場する車のナンバープレートをカメラで読み取っていて、退場する直前に自動精算機に自分の車のナンバーを入力すると時間あたりの料金が表示され、機械にその分のお金を投入、チケットの発券等は一切なく、支払済の車が出る時は再びカメラがそのナンバーを読み取ってバーが上がるというシステムなのです。出口で本当にバーが上がるのかどうか、ひやひやでした。

トラットリア「トレ・マルケッティ」(名物の絵皿、中央左の白い衣装がマリア・カラス) ヴェローナに戻り、この日の夕食はアレーナ近くにあるトラットリア「トレ・マルケッティ」。オペラ歌手やオペラの演目をマンガにした絵皿が有名な人気店です。ツアーで訪れていた「オペラ・オタクの会」の仲間、片山さんもジョイン、岡本さん、私ども夫婦の4人でのにぎやかな食事となりました。

 私は、前菜のカプレーゼ(モツァレラとトマト)、エビのパスタを妻とシェア、メインはヴェネト地方の代表的料理、フェガート・ヴェネチアーナ(子牛のレバーと玉ねぎを炒めたもの)をとり、ワインは、これも地元名物、アレグリーニとクリンタレッリのヴァルポリチェッラ・スペリオーレをとりました。
 食事をしていると、店内に《リゴレット》の<女心の歌>の前奏が流れ、店の奥から朗々たるテノールの歌声が響いてきました。店先の帳場に陣取ってフロアマネージャーをやっていた青年がいつのまにか店の奥に立ち、アリアを歌っているのです。玄人はだしの本格的な歌いかたです。
 喝采を受けると、今度は店の前の方に来て<オーソレミオ>を歌いました。店の前の道にも人だかりがして大勢が耳を傾けています。歌い終わるとその中からひときわ通る声で「Bravo, Matteo!」と掛け声がかかりました。マッテオ君によると、その声の主は、「街の名物男、ジャンカルロだ」とのこと。毎日オペラに通いつめ、指揮者登場の場面で間髪をいれず下手上段の席から「Bravo, Maetro!」と声をかけるのが彼であると。歌舞伎座で花道の引幕が引かれた途端に「成田屋!」と声をかける「大向うの会」のオジサンのようなものです。きっと木戸銭御免でアレーナに出入りしているのに違いありません。


 この日は、1913年8月10日の《アイーダ》上演からちょうど100周年の日にあたり、オペラ開始の前にヴェローナ市長(アレーナ・ディ・ヴェローナ財団理事長)フラヴィオ・トージ氏の挨拶。初演で使われた剣が今夜のラダメス役のマルコ・ベルティに手渡され、オーケストラが「ハッピバースデイ」を演奏するというセレモニーが行われました。
 今シーズンの《アイーダ》は、6月14日から8月3日までの10公演は、ラ・フラ・デルス・バウスによる新演出で行われ、この100周年の日から9月8日までの7公演は、デ・ボジオにによる1913年初演プロダクション復刻版で行われるという趣向です。
 因みに9月の東京公演では評判のよいゼッフィレッリのプロダクションが使われる予定ですから、さすがヴェローナお得意の演目。今年は3つのプロダクションが使われるわけです。 
 なお、プログラム記載の記録によると、《アイーダ》は、2012年までの99年間(オペラシーズンとしては91シーズン)で597公演(53シーズン)行われています。特に、1980年以降は、1991年を除いて毎年上演されているこの音楽祭の代表的な演目です。

指揮:ダニエル・オーレン
演出:ジャンフランコ・デ・ボジオ
振付:スザンナ・エーリ

アイーダ:フィオレンツァ・チェドリンス
アムネリス:ヴィオレッタ・ウルマーナ
ラダメス:マルコ・ベルティ
アモナズロ:アンボロージョ・マエストリ
ランフィス:オルリン・アナスタソフ
国王:カルロ・チーニ
伝令:サヴェリオ・フィオーレ
巫女:アントネッラ・トレヴィザン

アイーダ アレーナ・ディ・ヴェローナ 91年からヴェローナ詣でをはじめた私ども夫婦にとっては今回が当地で9回目の《アイーダ》。2000年以降7回は全てダニエル・オーレンの指揮。そのほか、91年の《ナブッコ》をはじめとして、ヴェローナで彼の指揮を聴かなかった年は殆どないといっていいほど、オーレンはこの土地にはおなじみの指揮者です。上品なクラシックファンには気に入らないかもしれませんが、そのあざといばかりにメリハリの効いた指揮ぶりが、おそらく広いアレーナでの演奏に向いているのでしょう。今年も、頭にキッパ(ユダヤ教の丸帽)をかぶった燕尾服姿で飛んだり、跳ねたり、唸ったり。アクション全開の熱血指揮は健在でした。
 その飛び跳ねる姿を見ると、一昨日に登場したバッティストーニに影響を与えていることはあきらかです。この地で生まれ育ったバッティストーニは、ジャンフランコ・フェッロに師事したとのことですが、おそらく指揮者の原型はオーレンなのかもしれません。もちろん、トスカニーニばりの「インテンポでぐいぐい」というバッティストーニと、「ルバートしまくり」のオーレンとの間にはスタイルの違いもあるのですが、ヴェルディ演奏に必要な「熱さ」という最近のスカラでは重用されている指揮者には無い重要な共通項があるのです。

 題名役のチェドリンスは、2001年のヴェルディ・イヤー(没後100年)前後で若手リリコ・スピントとしてヴェルディの諸役に活躍、このヴェローナで02年に聴いた《アイーダ》も不足感のないヴォーチェ・ヴェルディアーナだと感じたものです。ところが、その後、体型がスマートになるにともない声も痩せてしまって、09年の《トゥーランドット》ではリューを歌うなど、すっかりリリコのソプラノになってしまったのかな、と思っていました。それが、今回のヴェルディ・イヤー(生誕200年)で、またスピントとして復活、と期待していました。
 ところが、完全復活とはいかなかったようです。声の美しさは十分なのですが、この役に必要な力強さが今ひとつのうえ、歌い回しも際立ったところがなかったように思えます。特に、声の馬力よりも表現力が必要な第3幕。容姿が似ているマリア・キアーラばりの情感と色気がほしいところでした。発声に力みがあるのか、言葉も不明瞭でした。
 一方、絶好調だったのがテノールののマルコ・ベルティ。輝かしく力強い声は、ラダメスとして何の不足もありません。ただ、少し一本調子のところがあり、相手役のチェドリンスが上記のような状態ですから、最終幕の二重唱は印象の薄いものになってしまいました。
 最近はアイーダの方を歌うことが多いウルマーナによるアムネリス。力強い声で、低音も響き、決して悪くはなかったのですが、コッソットやザジックほどの迫力は感じられませんでした。メッゾにしては明るめの声という点では3人とも変わりがないのですが、不思議なものです。最近はソプラノ役ばかり歌っていたせいか、ウルマーナの役作りには敵役としての暗い情念や怒りというものが薄くなってしまっているように感じました。
 巨躯から大音量がほとばしるマエストリのアモナズロは、この役に関して当代随一と言っていいでしょう。今回も全く文句なしの出来でした。

アイーダ アレーナ・ディ・ヴェローナ

 夕食時にはからずも知ることになった「大向うの会」会長のジャンカルロ氏は、この夜も健在。指揮者登場の場面では「Bravo, Maetro!」、題名役のチェドリンスには「Brava, Fiorenza!」などと声をかけていましたが、なんといっても良かったのは、最終幕、アムネリスの「Pace!(平安を!)」という祈りの言葉で静かに音楽が消え、拍手が始まる一瞬前に「Viva Verdi!(ヴェルディ万歳!)」の大音声。合唱と指揮はスリリングでとてもよかったものの、ソリストの出来にムラがあり記念公演にしてはやや小粒と思われたこの公演を、それでも「曲は最高だ!」と一言で締めくくってくれました。

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